遺品整理業者の選び方|総務省の実態調査でわかった「見るべき4点」と見積書の読み方

監修・編集責任

山本貴大

株式会社ローカルマーケティングパートナーズ 代表

本記事は、環境省・国民生活センター・国土交通省などの公的な一次情報にもとづいて内容を確認しています。

遺品整理は、料金に公定の仕組みがなく、業者ごとの差が見えにくいサービスです。しかもサービス全体を規律する免許や登録の制度もないため、名乗ろうと思えば誰でも名乗れます。遺品整理サービスには法令上の定義がありません

だからこそ、料金の安さや広告の印象だけで選ぶと、当日の高額請求や無断処分といったトラブルに近づくことになります。

この記事では、総務省行政評価局が69事業者を直接調べた実態調査と、国民生活センターに寄せられた相談755件をもとに、依頼前に確認できる具体的な材料を整理します。「優良業者を選びましょう」という一般論ではなく、実際の見積書と契約書に何が書かれていたかまで扱います。

許可の確認方法は許可を確かめる方法、費用の目安は遺品整理の費用相場で詳しく扱っています。

まず知っておきたい業界の実態

選び方の前に、この業界がどうなっているかを押さえます。ここを知らないと、チェックリストの意味が分かりません。

総務省行政評価局は令和2年3月に「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」を公表しています。協力を得られた69事業者に直接聴取したもので、公的機関がこの業界の実態を調べた数少ない資料です。

許可の状況は業者によってばらつく

許可を持たない35事業者はどう処理しているか 総務省が聴取した69事業者 うち一般廃棄物収集運搬業許可を持たない事業者が35 許可業者を活用する(18) 現場に来てもらう/依頼者に紹介して直接調整 依頼者に処理施設への直接搬入等を依頼(2) 処理施設への持ち込み/指定ごみ袋で分別 自社に持ち帰り、選別後に自社の廃棄物として処理(12) 報告書はこの区分の例として、古物商許可で家財一式を 買い取り所有権を自社に移す2社の方法を挙げている 産業廃棄物処理事業者に搬入(2) 依頼者に代わって処理施設に搬入(1)
総務省の調査による。報告書は、これらの回答に廃掃法の解釈上「必ずしも適切ではないと評価され得るもの」が含まれると注記している。

3つ目に注目してください。遺品をまとめて自社に持ち帰り、選別したうえで自社から出た廃棄物として処理する形で、12事業者がこの区分に該当します。報告書はその例として、古物商許可を使って家財一式を買い取り、所有権を自社に移してから処理する2社の方法を挙げています。

報告書はこの区分について、許可を取得せずに廃棄物を扱っていると市町村から疑義を持たれないようにするために行っていると考えられる、と注記しています。許可業者に収集運搬を依頼すると現在の見積額の2倍程度になるため、料金水準を保つためにこの形にしていると説明する事業者もあったと記録されています。

報告書はこれらの回答について、廃掃法の用語法や解釈を踏まえると必ずしも適切ではないと評価され得るものを含む、と注記しています。そのうえで、事業者の見解を紹介するにとどめ違法性の判断は行わない、という立場を取っています。

つまり、業者によって処理の方法がばらついており、その中には解釈が分かれるものもあるというのが実態です。だから「許可を持っているか」「持っていないならどう処理するか」を確認する意味があります。

古物商許可があっても買取するとは限らない

もうひとつ、同じ調査から分かることがあります。

状況事業者数
古物商許可あり・買取を行う51
古物商許可あり・買取を行わない7
古物商許可なし10

この表の合計は68で、協力した69事業者と1つ違います。古物商許可を持つ1事業者は買取の状況が聴取されておらず、表に計上されていないためです。

「古物商許可あり」と表示されていても、実際に買い取るとは限りません。報告書には、査定・鑑定が難しいことや、遺品整理で出た家具をリサイクル品として再利用することが一般に忌避されることを理由に、買取の実績はないと説明する事業者もいたと記録されています。

買取での相殺を期待して依頼するなら、許可の有無ではなく実際に買い取るのか、何を買い取るのかを確認してください。

依頼前に確認する4点

実態を踏まえると、確認すべきことは絞れます。

確認項目何を聞くか注意したい答え
許可物件のある市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可番号。持たない場合、廃棄物の回収は誰と誰の契約になるか「提携しているので大丈夫」「産廃の許可があります」
見積書作業範囲と処分費の内訳を書面で出せるか。追加が出る条件は何か「一式」だけで範囲の記載がない
契約書契約書を交わせるか。損害賠償と破損時の扱いはどうなっているか契約書を作らない、口頭のみ
対応現地を見てから見積もりを出すか。持ち帰って検討してよいか電話だけで金額を出す、その場で即決を迫る

許可の詳しい確認方法(自治体の一覧の探し方、許可番号の見方、罰則の条文)は許可を確かめる方法で扱っています。

なお、資格である遺品整理士の在籍は姿勢の目安になりますが、資格と許可は別の仕組みで、資格があっても家庭ごみを回収できるようにはなりません。 資格の意味と限界は遺品整理士とはで解説しています。

見積書のどこを見るか

総務省の調査では、事業者から実際の見積書の提供も受けています。その記載例を見ると、何が書かれているべきかが分かります。

報告書に掲載された例では、次のような構成になっていました。

品目数量単価金額
作業基本料金(2トントラック換算)6台80,000円480,000円
分別梱包費6台3,000円18,000円
撤去作業費1式25,000円25,000円
家財品処分費1式80,000円別途実費
家電品処分費1式30,000円別途実費
仏壇処分費1式45,000円45,000円
諸経費1式11,360円11,360円

なお報告書は、この表が記載事項を整理したもので形式は元の見積書と異なること、金額も平均的な水準を表すものではないことを注記しています。参考になるのは、金額そのものより書き方です。

作業基本料金は2トントラック換算の台数で計算され、その中に何が含まれるか(人件費・貴重品捜索・回収作業・供養代・簡易清掃)が注記されています。撤去作業費には石段での搬出や搬出経路の草木伐採が含まれると書かれています。

家財品処分費と家電品処分費は「別途実費」です。廃棄物の運搬は許可業者を手配して一時立て替えし、実費を別途請求する形。家電はリサイクル料金と運搬料を実費で別途請求し、概算額は冷蔵庫1台・洗濯機1台・テレビ2台・エアコン2台で算出した、と明記されています。

この書き方から読み取れること

見積書を受け取ったら、次を確認してください。

  • 処分費の単位が書かれているか(トラック換算・重量・容積のどれか)。単位が違うと総額だけでは比較できません
  • 「一式」の中身が注記されているか。何が含まれるかが書かれていない一式は、当日に範囲外と言われる余地を残します
  • 家電4品目が別途かどうか。リサイクル料金と収集運搬料金の両方が必要です
  • 概算と確定の区別。「別途実費」なら、確定額がいつ分かるかを聞いておきます

なお総務省の調査では、実際の見積書75件を集計した金額分布も公表されており、10万円から40万円の間の取引が多いとされています。ただし報告書自身が、これは統計手法で得たものではなく実績値と考えるべきではない、と注記しています。

契約書のどこを見るか

見積書より見落とされやすいのが契約書です。総務省の調査では実際の契約書の条項も収集されており、依頼者にとって重要な部分が分かります。

損害賠償の条項

報告書に掲載された実例には、次のような条項がありました。

本業務における責任は、すべて甲(依頼者)が負うものとし、乙(事業者)は業務についての損害賠償責任は負担しないが、乙の責に帰すべき事由によるときは、乙がその賠償の責を負う。作業の完成引渡しまでに甲乙並びに第三者にかかわらず、建物及びその他作業一般によって生じた損害は甲の負担とするが、乙の都合により期日までに作業開始ができなかったとき、または乙が自己の都合により作業を繰り延べ、若しくは中止させたとき、その他乙の責に帰すべき事由によるときは、その限りではないものとする。

事業者の責めに帰すべき場合は例外とされていますが、それ以外は依頼者の負担です。後段では、引渡しまでに建物などに生じた損害を、当事者か第三者かを問わず依頼者の負担と定めています。免責の範囲は前段だけを読んだ印象より広くなります。

契約書にこの種の条項があったら、破損が起きたときにどちらの負担になるのかを具体的に確認してください。

破損時の申し出の期限

もうひとつ、実例にはこういう条項もありました。

破損などのトラブルに関する請求は、甲(依頼者)乙(事業者)同席のもと確認する作業完了後の確認時に申し出ることとし、その後の請求はできないものとする。

作業完了時の確認で申し出なければ、後から請求できないという内容です。この条項がある契約では、作業完了時の立ち会いを求められることになります。遠方に住んでいて立ち会えない場合は、この点を先に相談してください。

なお、消費者契約では、事業者の損害賠償責任を全部免除する条項は消費者契約法第8条により無効とされる場合があり、消費者の利益を一方的に害する条項は同法第10条の対象になり得ます。実際にトラブルが起きたときは契約書の記載だけで判断せず、お住まいの消費生活センター(消費者ホットライン188)にご相談ください。

相続人が複数いる場合

相続の場面に固有の条項もあります。

甲(依頼者)は、相続人の立場にある場合には、本契約において相続人を代表して締結することとし、本契約締結後に他の相続人との間で発生した損害は全て甲が負担する。また、相続人間で発生した問題は全て甲が対応する。

契約した相続人が、他の相続人との間の問題をすべて引き受けるという内容です。兄弟姉妹の間で意見が割れている場合、この条項の意味は重くなります。先に相続人間で処分の範囲を合意しておくほうが安全です。

契約書を交わさない業者もいる

総務省の調査では、契約書を取り交わしている事業者は協力した69事業者のうち約6割と報告されています。作成していないことが確認できたのは24事業者で、残る2事業者は聴取されていません。

書面がなければ、作業範囲や費用の根拠があいまいなまま当日を迎えることになります。契約書を作れるかどうか自体が、判断材料のひとつになります。

実際に起きているトラブル

全国の消費生活センター等に寄せられ、国民生活センターのPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された遺品整理の相談は、平成20年度以降、平成30年5月31日までに755件あります。総務省の報告書はこれを9類型に整理しています。

代表的なものを、報告書に掲載された相談の要旨とあわせて挙げます。

類型実際に起きたこと避け方
強引な勧誘・作業の実施軽トラックの回収業者に依頼したところ、後日「もっと不用品があるはずだ」と電話があり、突然訪問して家に入り引き出しを開けられた巡回する業者にその場で頼まない。連絡先が確認できる業者に依頼する
遺品を勝手に処分される3社から見積もりを取り最安の業者に依頼。処分しないよう指示した自分の物(ラジカセ・DVDプレーヤー・ゲーム機・布団・辞書)を別の作業員が運び出した残す物に印をつけ、リストにして書面で共有する。作業員全員に伝わる形にする
雑な作業・遺品の破損分別作業中に作業員が誤って高価な陶器を落として割り、補償の求め方に困った破損時の扱いを契約書で確認しておく。申し出の期限にも注意
作業未了・途中放棄2トントラックで運ぶ約束が軽トラックで来たため全て撤去できず。断ったところ「32万円を支払わなければ撤去した家財を送り付ける」と言われた契約書に作業範囲と車両を明記する。期日がある場合は特に
作業未実施・返金なし現金前払いで約8万円を支払ったが作業日に実施されず、その後連絡が取れなくなった前払いを求められたら理由を確認する。全額前払いは避ける
高額な料金請求(解約時)37万円で契約後、20万円で受ける業者が見つかり解約を申し出たところ、説明のなかったキャンセル料17万円を請求された解約時の費用を契約前に確認し、書面に残す
高額な料金請求(作業中の追加)見積14万1,000円で契約したが、廃棄物処理代4万円を往復のたびに現金で先払いさせられ、それでも作業は終わらなかった追加費用が出る条件と上限を契約前に確認する

いずれも、書面でのやり取りと事前の確認で近づきにくくなる場面です。とくに「残す物を書面で共有する」は、作業員が複数人になる現場では欠かせません。相談事例でも、指示を受けた作業員とは別の作業員が運び出しています。

相見積もりの取り方

複数社から取ると比較できますが、比較できる形で取らないと意味がありません。

同じ条件で依頼する

各社に伝える内容を揃えます。

  • 間取りと階数、エレベーターの有無
  • 建物前にトラックを付けられるか
  • 残す物・処分する物のおおよその区別
  • 家電4品目の有無
  • 希望日と、期限があるか

条件が揃っていないと、安い見積もりが「作業範囲が狭いだけ」ということが起こります。

現地を見てもらう

電話やメールだけで金額を出す業者には注意してください。物量と搬出条件は現地を見ないと分かりません。総務省の調査でも、立ち会いのもとで量と搬出の条件を確認してから見積もりを出す事業者の記述があります。

遠方で立ち会えない場合は、写真と間取り図を送れば概算を出してもらえることが多いので、相談の段階で伝えてください。

金額差の理由を確認する

同じ条件で2倍違うことがあります。理由は主に3つです。

処分の経路が違う(作業地の市区町村で一般廃棄物収集運搬業の許可を自社で持っていれば、外部の許可業者に払う運搬費が要りません。総務省の調査には、許可業者に依頼すると見積額が2倍程度になるという事業者の説明も記録されています)。買取を織り込んでいる。処分費を負担していない。

前の2つは正当な差ですが、3つ目は問題です。どちらの説明もないまま安い場合は、処理経路を確認してください。

依頼当日までにやっておくこと

業者が決まったら、当日までに次を済ませておくと行き違いが減ります。

準備理由
残す物に印をつける口頭の指示は作業員間で共有されないことがある
残す物のリストを作り書面で渡す指示した物を別の作業員が運び出す事態を防げる
貴重品の捜索を依頼するか決める依頼する場合、作業時間が延びて費用が変わる
立ち会えるか決める破損の申し出期限が契約書にある場合、立ち会いが必要
近隣への挨拶とトラックの駐車位置集合住宅では管理会社への連絡も要る
貴重品・重要書類の当日の扱い見つかった場合にどうするかを先に決めておく

とくにリストは効きます。作業員が複数人で動く現場では、依頼者が一人ひとりに指示するのは現実的ではありません。書面があれば全員が同じものを見られます。

その場で決めさせようとする業者のサイン

前掲の相談事例には、共通する進み方があります。判断する時間を与えないという点です。

総務省の報告書が整理した相談類型を裏返すと、契約前に現れる兆候がいくつか見えてきます。

兆候なぜ危ういか
訪問したその場で契約を求める相見積もりも書面の確認もできない。相談事例には、見積もりに来てもらったその場で内金を払い、解約時に返してもらえなかったものがある
書面を出さない、口頭で済ませようとする作業範囲も追加の条件も後から言った言わないになる
「今日中に決めれば安くする」と期限を切る急がされると、比較も書面の確認もできなくなる
見積もりが「一式」だけで内訳がない何が含まれ何が別料金かが分からず、当日に増える
許可について聞いても明確に答えない家庭から出た廃棄物を運ぶには市区町村の許可が要る
全額前払いを求める作業が実施されないまま連絡が取れなくなった相談事例がある。遠方で立ち会えない場合などに一部を前払いとする例はあるので、全額を求められたときは理由を聞く
巡回してきた車から声をかけてくる連絡先や所在が確認できず、後から辿れないことがある

上の表のうち許可・見積書・契約書・対応の4項目は、前掲の「依頼前に確認する4点」がそのまま裏返しになっています。確認項目が満たされないこと自体が兆候だと考えてください。

一つでも当てはまれば即座に悪質だと決めつけられるわけではありません。ただ、複数が重なるときは、いったん止めて別の業者にも当たるほうが安全です。

急いでいる事情があっても、書面を確認する時間まで削る必要はありません。本当に段取りの整った業者なら、その時間を待てます。

契約してしまった後にできること

確認が足りないまま契約した、あるいは作業後に想定外の請求を受けた。そうなった場合にできることを整理します。

作業前なら、まず止める

作業が始まっていなければ、実施を止められる可能性があります。契約書にキャンセルの条件が書かれていれば、その条件に沿って申し出ます。

書面がない場合や、記載された解約料が高すぎると感じる場合は、支払う前に消費生活センターに相談してください。消費者契約では、解約に伴う違約金のうち、同種の契約についてその事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分は無効とされます(消費者契約法9条1項1号)。

相談事例には、37万円の契約に対して説明のなかったキャンセル料17万円を請求されたものがあります。総務省が収集した契約書には、当日は見積額の40%・前日は20%と定めた例と、作業予定日の前日午前10時までに連絡がなければ請負代金の全額と定めた例がありました。

書き方によって幅が大きいということです。妥当かどうかは、契約書に何日前でいくらと書かれていたか、その事業者に実際どれだけの損害が生じるかで変わります。他社の契約書の率が基準になるわけではありません。説明がなかった、書面に記載がないという場合は、支払う前に相談してください。

クーリング・オフが使えるかを確認する

訪問販売にあたる契約であれば、法定の書面を受け取った日から数えて8日以内は、書面または電磁的記録により申込みの撤回や契約の解除ができます(特定商取引法9条1項)。この8日は書面を受け取った日から起算します。 書面を渡されていない場合は期間が進みません。8日を過ぎたように見えても、書面がないなら相談する価値があります。

「自分から呼んだ業者だから使えない」と考える方がいますが、そうとは限りません。特定商取引法26条6項1号は「その住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することを請求した者」への訪問販売を適用除外としていますが、この「請求した者」の範囲は限定されています。

消費者庁は、これを「購入者が契約の申込み又は締結をする意思をあらかじめ有し、その住居において当該契約の申込み又は締結を行いたい旨の明確な意思表示をした場合」と説明しています。

そのうえで同庁の解説は、見積もりだけを目的として訪問を依頼し、その場で契約を締結した場合について、適用除外に当たらないと考えられるとしています。修理を頼んで来てもらった業者に別の契約を勧誘された場合も同じです。

遺品整理で「見積もりに来てほしい」と伝えて呼んだのであれば、この説明が当てはまる可能性があります。

なお、賃貸物件の残置物撤去のように事業のために依頼する契約は、営業のための契約として訪問販売に関する規定(クーリング・オフを含む)の対象外になります。ただし消費者庁の解説は、事業者名で契約していれば一律に対象外になるわけではないとし、実質的に廃業している場合や事業実態がほとんどない場合には規定が適用される可能性が高いとしています。

自分のケースがどうかは、契約書やメール、通話の記録を持って消費生活センターに相談してください。当社は片付けの段取りと費用の面からお答えする立場で、法律上の判断は行いません。

証拠を残す

相談する際、手元に資料があるかどうかで話の進み方が変わります。

  • 見積書、契約書、請求書、領収書
  • 業者とのやり取り(メール、SNS、通話の日時と内容のメモ)
  • 作業前と作業後の室内の写真
  • 運び出された物の内容と、それを指示していなかったことが分かるもの

写真は、思い出せる範囲でかまわないので早めに残してください。時間が経つほど記憶も証拠もあいまいになります。

撮るときは、部屋の全体が入る位置から1枚、問題になっている箇所を寄りで1枚、という組み合わせにすると状況が伝わりやすくなります。全体の写真がないと、寄りの写真だけではどの部屋のどこなのかが分からないためです。

破損であれば、傷そのものと、その物が置かれていた場所の両方を残します。運び出された物については、それが写っている以前の写真(家族が撮った日常の写真でもかまいません)が手がかりになります。

作業前に撮っておければ理想ですが、間に合わなかった場合でも、いま残っている状態を撮ることには意味があります。

相談先

消費者ホットライン「188」に電話すると、局番なしで最寄りの消費生活相談窓口を案内してもらえます。契約や請求に関することは、まずここが入口です。

物がなくなった疑いがある場合は、警察への相談も検討してください。消費生活センターは契約に関する相談を扱う窓口で、盗難の捜査は行いません。相談に行くときは、なくなった物が分かる資料と、作業に立ち会った人の記録を持参すると話が早く進みます。

無許可の疑いがある業者については、市区町村の廃棄物担当課が情報提供の窓口になります。家庭から出た廃棄物を業として運ぶには市町村長の許可が必要です(廃棄物処理法7条1項)。環境省も、家庭の廃棄物の回収には市区町村の許可か委託が必要で、産業廃棄物処理業や古物商の許可では回収できないと案内しています。

投棄の現場を見た場合は、警察も窓口になります。

遺品整理・残置物の対応でお困りの方へ

当社も遺品整理を提供する事業者です。この記事で挙げた確認項目については、作業地の一般廃棄物収集運搬業許可をどう確保しているか(自社の許可か、依頼者と許可業者の直接契約か)、書面の見積書と契約書をどう交わすかを、お問い合わせの際にご説明します。お見積もりでは、作業範囲と処分の経路、料金の内訳をお示しします。

残す物のリスト化や、貴重品が出た場合の取り扱いもあわせてご相談ください。許可の確かめ方は許可を確かめる方法、費用の目安は遺品整理の費用相場、おおよその試算は料金シミュレーターで確認できます。ご相談は info@ihin-seiri-pro.jp までご連絡ください。

出典(8件)
  • 総務省 行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」(令和2年3月)https://www.soumu.go.jp/main_content/000675388.pdf(2026-08-06確認。協力事業者69、一般廃棄物収集運搬業許可を持たない35事業者の処理方法、古物商許可の取得状況と買取の実態、見積書・契約書の記載事項の具体例、見積書75件の金額分布、契約書を交わす事業者は約6割)
  • 国民生活センター PIO-NET 登録の相談(平成20年度以降〜平成30年5月31日、755件・9類型。上記報告書 参考図表 表1 に掲載)
  • 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」 https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html(2026-08-06確認)
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第7条第1項 e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  • 消費者庁「特定商取引に関する法律・解説(令和4年6月1日時点版)第2章第5節」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/pdf/20220601la03_06.pdf(2026-08-12確認。26条6項1号について、見積りのみを目的として訪問を依頼した事業者とその場で契約を締結した場合は適用除外に当たらないと考えられる旨、単なる問合せや資料請求に対して事業者から訪問の申出があり消費者が承諾した場合は該当しない旨。26条1項1号について、契約の相手方の属性が事業者や法人である場合を一律に適用除外とするものではなく、実質的に廃業していたり事業実態がほとんどない零細事業者の場合には規定が適用される可能性が高い旨)
  • 消費者庁「訪問販売等の適用除外に関するQ&A」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/exclusion.html(2026-08-12確認。特定商取引法26条6項1号の「請求した者」とは、購入者が契約の申込み又は締結をする意思をあらかじめ有し、その住居において当該契約の申込み又は締結を行いたい旨の明確な意思表示をした場合が該当する。チラシの表示額を見て修理を依頼したが大きく上回る金額を請求された事例について、依頼時には表示額で契約する程度の意思しかなかったとして適用除外に当たらないとの考え方を示している)
  • 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第9条第1項第1号 e-Gov法令検索(2026-08-12確認。解除に伴う損害賠償額の予定・違約金の定めのうち、当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分は無効)
  • 特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号)第9条第1項・第26条第6項第1号 e-Gov法令検索(2026-08-12確認。訪問販売において法定書面を受領した日から起算して8日を経過するまでは、書面または電磁的記録により申込みの撤回・契約の解除ができる〔9条1項〕。その住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は締結することを請求した者に対して行う訪問販売については第4条から第10条までを適用しない〔26条6項1号〕)

遺品整理の費用や業者選びでお困りの方へ

間取りからの費用の目安、見積もりの取り方、信頼できる業者の見分け方をご相談いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。

遺品整理を無料で相談

料金シミュレーターで概算を出す →

よくある質問

遺品整理業者を選ぶとき、最初に確認すべきことは何ですか。
家庭ごみの回収に必要な一般廃棄物収集運搬業許可を、その業者自身が持っているか、持っていない場合に依頼者と許可業者が直接契約する形になっているかです。総務省の調査では、協力した69事業者のうち35事業者がこの許可を持っておらず、処理の方法は業者によってばらついていました。
「古物商許可あり」と書いてあれば買取もしてもらえますか。
とは限りません。総務省の調査では、古物商許可を持ちながら買取を行っていない事業者が7ありました。査定が難しい、家具のリユースが一般に敬遠される、といった理由が挙げられています。買取を期待するなら、許可の有無ではなく実際に買い取るかを確認してください。
見積もりが安い業者を選んでも大丈夫ですか。
金額だけで選ぶのは避けてください。処分費を見積もりに含めず当日に追加請求する、無許可で処理してコストを下げている、といった可能性があります。安さの理由が「買取で相殺している」か「作業地の許可を自社で持っていて運搬費が要らない」で説明できるかを確認すると判断しやすくなります。
契約を急かされたらどうすればよいですか。
その場での即決は避け、持ち帰って複数社を比較してください。国民生活センターに寄せられた相談には、強引な勧誘や作業の実施という類型が実際にあります。
契約書のどこを見ればよいですか。
損害賠償の条項です。総務省の調査で収集された実例には、業務上の責任を原則として依頼者に負わせ、事業者の責めに帰すべき場合だけを例外とするものがありました。引渡しまでに建物などに生じた損害も原則は依頼者負担と定めています。破損時の扱いや、相続人が複数いる場合の責任の所在も確認してください。
見積書が「一式」とだけ書かれています。問題ありますか。
作業範囲が明確なら問題ありませんが、範囲を書かずに一式とだけある見積もりは、当日に「これは範囲外です」と言われる余地を残します。実例では2トントラック換算の台数や、家電のリサイクル料金を別途実費とする書き方がされています。
遺品整理を無料で相談